心臓から送り出された血液が血管の中を通るとき、血管にかかる圧力のことを「血圧」といいます。
血圧は、心臓の送り出す血液量、動脈壁の弾力性、末梢血管の抵抗などの要素によって決まります。
日常の動作、時間、環境などの影響を受けて常に変動するので、運動や食事、喫煙、飲酒、緊張や興奮、寒冷などでは高くなり、安静、温暖などでは低下します。
健康な人のからだでは、血圧は様々な要因に対して適切に保たれるように調節されています。
現在、日本で広く採用されている血圧の診断基準は、世界保健機関(WHO)、日本高血圧学会などの基準で、最高血圧が140mmHg以上であるか、または最低血圧が90mmHg以上であることが高血圧とされています。
高血圧にもいろいろなタイプがあります。タイプにより薬の種類や服用時間などが違うので、自分の血圧のパターンを知っておくことが大切です。
家で毎日血圧を測り、記録して、医師に伝えることは診断や治療の参考になります。測定時間は、起床時と就寝時の2回、毎日ほぼ同じ時間に測るのが理想です。
病院や検診で測定すると高血圧で、家では正常血圧というタイプの高血圧です。環境や心理的な影響を受け一時的に血圧を高くしてしまうと考えられています。
家庭血圧や24時間血圧測定で、早朝に高血圧になるタイプです。
家庭血圧や24時間血圧測定で、夜間に高血圧になるタイプです。
高血圧は自覚症状がほとんどなく静かに進行します。血管に常に通常以上の圧力がかかるため、血管壁が厚くなり弾力性が失われ、内壁にコレステロールが沈着して動脈硬化が進みます。動脈硬化は高血圧を加速し、その結果さらに動脈硬化が進むという悪循環となります。
合併症は症状が出てから治療しても何らかの障害が残る場合が多いので、日頃から血圧の管理を行うことが大切です。
血管の弾力性が失われ、固くなったり血管壁にコレステロールなどがたまり、内径が狭くなって血液の流れが悪くなった状態を動脈硬化といいます。動脈硬化が進むと、脳出血・脳梗塞・狭心症・心筋梗塞・全身障害(閉塞性動脈硬化症)といった命にかかわる病気につながります。
1. ベッドにあおむけに横になります。リラックスした状態で、心電電極、心音マイク、カフを付けます。
2. わずか数分で検査は終了します。血圧を計るのと同じ要領で、とても簡単です。
3. 検査結果はすぐに出ますので、その場でドクターから結果の説明を受けることができます。
気になる方は、検査をお勧めします。
治療には薬物療法と非薬物療法がありますが、生活習慣の改善が重要です。
医師や栄養士の指導の下に生活改善を行っても血圧が下がらない、または上ってしまう場合に降圧剤を服用します。医師の指示にしたがって治療を続けてください。